モノモウス

世の中のおかしな事にもの申すブログです

児童養護施設と子供の人権

児童虐待が日々取り沙汰されてますが、虐待から救われ、児童養護施設に助けられた子供達がその後どうなるかはあまり報道されていません。

子供達にはさらなる試練が待ち受けています。
施設にいる間は、衣食住が保障されますが、問題は施設を出たあとです。

基本的には18歳で施設をでて、そこからは自立する事になります。
経済的な問題で、大学にはほぼ行けません。
進学率は25%程度です。
これは、東南アジアのベトナムと同じぐらいの進学率です。
日本にいながら、本人は悪くないのに、環境のせいでこのようなハンデをおっている子供達がいることに驚きます。
ちなみに日本全体の進学率は8割程度です。
東日本大震災の遺児でも、支援制度などがあり、8割程度の進学率があります。

大学にいっても、家賃から生活費から自分で捻出しなければならないので、高校のうちにアルバイトで百万円ほどためとかなければ生活が立ちゆきません。

なので、大半が大学を卒業することなくやめてしまうそうです。

そういったわけで、施設側も基本的には就職を進めます。
ただしそれにも条件があり、寮つきのところとかなり限定されてしまいます。
彼らは職業選択にも実質的に自由がありません。

就職しても、5-7割程度は3年以内にやめてしまうそうです。
生活のために好きでもなんでもない仕事につき、給料も安ければ、辞めるのも無理無いという状況です。

やめてもお金が入ってくるわけではないので、ホームレスになったり、夜の世界に行ったり、やくざの使い走りになったり、裏社会に染まってしまう子供も多いようです。

別の見方をすると、一人辺り年間数百万円という莫大な税金を使って、養護施設で育て上げ、大勢を裏社会に送り込むようなシステムになってしまっています。

もちろん立派に自立してる方がいるのは承知してますし、施設もそこで働く職員さんが頑張っているのもしっていますが、やはり子供がよほど困難を乗り切る力に長けた人でないと難しい環境ではないかと思います。
私が同じ環境で育ったらとてもやっていけないだろうと思います。

実は、先進国でこの問題が起こっている国は少なく、やはりこのシステム的に無理があるということで、大半の国は、施設で育てるのではなく養子として里親に出します。
日本では9割が施設に入るのに対し、アメリカでは9割が養子に出されます。

日本は国連から人権侵害をしているとして勧告もうけています。

ここ1、2年。日本でも法整備がされ、全体としては里親に出す方向に向かってますが、社会に浸透するのはまだ先の事になるでしょう。

里親希望者はたくさんいるので、この動きがもっと社会に知れわたり、加速されて欲しいと思います。